私は、カマエテルヒトである。どうも、ときどき、カマエテルヒトである。たとえば、
アフリカのたいこをたたくとき、カマエテルヒトである。
たいこをたたくのはとてもたのしい。
カケテルヒトも、ユウガナヒトも、みんないっしょにワになってすわる。
リズムに合わせて、いっせいにたいこをたたく。
カケテルヒトが、私のほうにそっと近づいてきて、言う。「カマエナイデネ。」
そう言う、カケテルヒトのことが私は気になる。
カケテルヒトには、なにが「欠けてる」というのだろうか?
むしろ、私には、カケテルヒトは、ステキナヒトにみえる。
カケテルヒトが、ステキナヒトにみえるから、
私は、また、すこし、カマエテルヒトになってしまう。