（「３９サンキューアートの日」で朗読 ）

　映画館で映画をみていると　映画館をとびだしたくなる 映画館の　外は　濃緑の

　空間　あちらへ急げ急げと　雲が渡る　だれも　かなしみにぶつからないで　

歩ける　けれど　気がつくと　 狭く　なっている　ものは　空間ではなく　むしろ

　あたしの喉　あたし　カツドンたべたいナ  エッ？　なんか　急にカツドンたべ

たくなるの　あたし　ナニ　ソレ　そして感想をきかせてほしいナ　そういう

意味のことを　他の言い方で　いくつ言えるだろうと　思って　いたら　靴下で　

  いっぱいに　なってしまった　時間を　全く　収納　できない　ほどに　

憧れていた　あなたに

 家で遊んでいると　家をとびだしたくなる　家の外は　もうひとつ　の　家　

　光があふれ　光が消える　猫のごろごろを　誤訳した　青年が　白髪まじり

の　声で　すごーい！を　連発する  あかるい場　あのねー　うちの会社ね　

　男性も　女性に　チョコレートくれるの　いいな　なんて  快楽について　

　書くこと　自体が　かなしみ　として回るように　ねっころがって　

がんばっていると　眠ってしまう　幸福の　なかに　あたしは　いなかった

 すでに　決められて在るものを　やさしく持ち上げて　とにかく　なんでも

 いいから　先ず　外へ　とびだしていこうとする　現代の　水には　そんな

 気質がみられる　というのは　ほんとうに  ほんとうと思う

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