楕円: そういえば　　　　 やわらかなニットは 通りをゆく女たちを 舞台に立つ女優にかえる こともある
 

 


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３　−　０　＝

 

 

 

 

でも

だからといって

デザイナー自身が

女優の名で語られることはない。

デザイナーたちは

私たちにオヨーフクをただ見せている

そして私たちにいつも確かに呼びかけているのだと感じる。
 
 

 

 

 

 


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

 

 

　　　

台形: ただ見せられている オヨーフクを 私たちはただ見る。 たぶん いつも呼びかけてくる声を 聞くように見る。 　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

 

 

フローチャート : 論理積ゲート: 冬 私はお気に入りのあたたかなコートを ずっと着ていて 生活をあたたかくする仕事は全部全部 コートに任せてしまいたいとかんがえて いる。 それで自分はすっかり怠惰なひとになってしまうのではないかと思っている。
 

 

 

 

 


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雲形吹き出し: それから いつものように 浄化されない結末として セミヌードのあなたをたんすの前で見る。 聞くように見る。 たんすの前って オールヌードのひとより セミヌードのひとのほうが どうしてか似合う。  


　　

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テキスト ボックス: Ｓの家に招かれる。 あなたと 私は ２人とも ふかふかのコートに ぐるぐるのマフラーに たすき掛けバッグ　  

 

 


２　＋　１　＝

 

 

 

 

 

 

 

 

 


　　　

 

 

 

 

 

 

 

 

 

　

フローチャート : 書類: やがて あいさつが苦手な私はもう一度玄関で棒立ちになる。 あなたはいつもより酔っぱらって手をふる。 私たちは帰る。 夜 私はＳの家の階段の途中にマフィンを１つ置いてきたことを思い出す。 今 Ｓの家のながい暗い階段のまん中に ちいさい甘い影が１つうかんでいる。 そのことを私は知っているのである。
 


　　　　

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）　　　　　　

 

 

 

 

 

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